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寄稿

高等学校の新校舎「日吉協育棟」

高等学校メディア統轄室担当教員:鳴海 達也


2018年夏に、高等学校の新しい校舎「日吉協育棟」が完成しました。高等学校に新校舎ができるのは、約35年ぶりです。

3階建て屋上付きの「交流館」と、4階建ての「創造館」が、2階と3階のブリッジで接続された構成になっており、「交流館」は既存の校舎である第一校舎・特別教室A棟・特別教室B棟と、2階のブリッジでつながっています。「交流館」を中心に、既存校舎と「創造館」がスター結合した形です。

これまでの校舎が、ホームルーム教室をはじめ「理科室」「家庭科室」「音楽室」といった、教科やその授業のための部屋ばかりだったのに対して、新校舎はまったく違います。

竣工当時の日吉教育棟のパンフレットには、以下のように書かれています。

「日吉協育モデル ― 正統と異端(イノベーション)の協育 ― 」の実践
高等学校は開設70年を機に「正統と異端(イノベーション)の協育」を掲げ、
「日吉協育モデル」と名付けた新たな教育の地平を切り開きます。その実践の
場が〈交流館〉と〈創造館〉から成る〈日吉協育棟〉です。蔵書12万冊を誇る
図書室を中心に、日吉キャンパスに集う多様な人たちとのつながりを深める
幾つもの空間を設けました。(以下略)

すべての校舎と直接つながる交流館の2階は、狙いどおり、最も“交通量”の多い空間となりました。ここには、通路との仕切りをまったく持たないオープンなスペース「コミュニケーションラウンジ」が設けられました。授業やイベント、ワークショップなどにも活用されていますが、日々、生徒たちの「たまり場」として、出会いや対話が生まれる空間になっています。

コミュニケーションラウンジから「創造館」へのブリッジを渡ると図書室です。蝮谷の自然を一望できる大きな窓に面した開放的な数十席のカウンター席の約半数には、自由に使えるノートPCが設置してあります。

「日吉協育棟」には、このような、生徒たちが思い思いに立ち寄り自由に使える空間が、それぞれ少しずつ趣を変えていくつもあります。教員が直接コントロールする授業から一歩離れたところで、生徒たちが自由に活動する「日常」を豊かにし、彼らの成長を促すことを目指した校舎なのだと、私は考えています。

こうした生徒たちの「日常」の中で今や欠かせないのが、インターネットでありWi-Fiです。35年ぶりの新校舎である「日吉協育棟」は高等学校では初めての「LAN・Wi-Fiありきで設計された建物」で、既存校舎とは段違いのネットワーク環境が整いました。

とはいえ、「高校生が各自の持ち込み機器を含めて勝手に使えるネットワーク」の運用ポリシーは新校舎ができる前と変わらず、残念ながら現時点では若干過剰な保護や制限を設けたものになっています。適切な保護を保ちながら、制限をできるだけ少なくしていくことが、直近の課題だと認識しています。

最終更新日: 2019年10月10日

内容はここまでです。