- トップ >
2023年度Linux環境のOS変更点 詳細
2023年度版Linux環境の主な変更点は次のとおりです。
なお、本ページは2023年度正式リリースまでの間に随時更新されます。
ディストリビューションの変更
- 旧: CentOS7
- 新: RockyLinux8 (or AlmaLinux8)
- ※ ともにRHEL8のクローンであり、内部コードは同一です。
安定性、および、最新性のバランスからRockyLinux8.7 もしくは、AlmaLinux8.7 を導入する予定です。2022年度版の環境で導入されていたCentOS7.9と比較すると、様々なソフトウェア/ライブラリが新しくなります。 ユーザ毎に導入したソフトウェアは再コンパイルが必要になる可能性があります。
/work ディレクトリに関する構成変更 update 2022-12-14
プロジェクトファイルのサイズが3GBを超える場合など、ホームディレクトリの容量が足りない場合に、一時的な作業ディレクトリとして/workをご利用いただけます。 この一時的な作業ディレクトリについて、2023年度向けLinux環境では次のように調整します。
各端末のローカルストレージ(SSD or M2.SSD) 上と NFS上に異なる作業ディレクトリを用意します。
各作業ディレクトリを利用可能な環境は次のとおりです。
利用環境 | 各端末のローカルストレージ | NFS |
---|---|---|
教室設置端末 | ○(/work) | ○(/work.nfs) |
リモート接続用ホスト、ログインサーバ | × | ○(/work.nfs , /work) |
ローカルストレージ上の作業ディレクトリ
ローカルストレージ(SSD or M2.SSD)上の作業ディレクトリの仕様は次の通りです。
- 作業ディレクトリのディレクトリ名は、/work です。
- ファイルシステムは ext4 です。
- 教室設置端末のみで用意されており、各端末毎に個別に存在します。したがって、この領域はその端末のみで利用できます。
- 領域サイズは、各端末毎におおむね400GB程度です。
- その端末上で利用した複数のユーザが共有して使用します。
- /work 直下はデフォルトでは全ユーザから参照可能です。必要に応じて各ユーザで権限調整を行ってください。
- /work 直下のディレクトリ名は、そのディレクトリを作成したユーザのアカウント名と同じディレクトリ名になっている必要があります。それ以外の場合には1日1回のチェックで削除されます。
- /work/アカウント名 配下のファイルについては、システムで1日1回タイムスタンプを確認し、720時間(30日間)より古いデータは削除されます。
- 各端末個別の機器故障により、データが失われる可能性があります。RAID等の保護、および、バックアップは一切ありません。
- 2022年度まで教室環境で提供していた /work ディレクトリと同仕様です。
NFS上の作業ディレクトリ
NFS上の作業ディレクトリはの仕様は次のとおりです。
- 作業ディレクトリのディレクトリ名は、/work.nfs です。
- ネットワークストレージであり、NFS でマウントしています。
- 教室設置端末、および、リモート接続用ホスト、ログインサーバ等で利用可能であり、領域は全環境から共有されます。
- 領域サイズは、1TB程度です。
- 理工学ITCの提供するLinuxクライアント環境(2023年度向け)のすべてで、利用者全員が共有して利用します。
- 2023年度環境のリモート接続用ホスト、および、ログインサーバでは、/work という領域名でアクセスできます。当該環境では、/work は /work.nfs へのシンボリックリンクです。
- /work.nfs 直下はデフォルトでは全ユーザから参照可能です。必要に応じて各ユーザで権限調整を行ってください。
- /work.nfs 直下のディレクトリ名は、そのディレクトリを作成したユーザのアカウント名と同じディレクトリ名になっている必要があります。それ以外の場合には1日1回のチェックで削除されます。
- /work.nfs/アカウント名 配下のファイルについては、システムで1日1回タイムスタンプを確認し、720時間(30日間)より古いデータは削除されます。
- NFSサーバの障害により、データが失われる可能性があります。
- 2022年度までリモート接続用ホスト環境、および、ログインサーバで提供していた /work ディレクトリと同仕様です。
ネットワークフィルタリングについて update 2023-02-17
セキュリティ面での対策を目的として、端末側でネットワークフィルタリングを行っています。
ネットワークフィルタリングの概要は次の通りです。
- 教室設置端末間では、次のポートが許可されます。
- 49152/tcp
- 49152/udp
- 50021/tcp
- 50021/udp
- 51230/tcp
- 51230/udp
- 55000/tcp ~ 55200/tcp
- 教室設置端末間ではssh通信が許可されますが管理者向けです。ITCアカウントを利用した教室端末へのssh接続はできません。
- その他、いくつかのポートが管理者向けに許可されています。
- リモート接続用ホストでは、上記の設定に加えて次の通信が許可されます。
- 塾外を含む接続元からの ssh通信(port 22)、および、ITCアカウントによるsshログインが可能です。 ただし、2022年度秋学期に提供してる事前テスト環境(2023年度向け)は 塾内 からの接続に限ります
- 塾外を含む接続元からの rdp通信(port 22385)、および、ITCアカウントによるrdpログインが可能です。 ただし、2022年度秋学期に提供してる事前テスト環境(2023年度向け)は 塾内 からの接続に限ります
一部のソフトウェアのバージョンについて
既存環境(CentOS7.9)にてソースからコンパイルしてインストールしていたソフトウェアのうち、一部のソフトウェアは、新環境(RockyLinux8系)が提供するパッケージ管理によるインストール方法に変更しました。 これは、セキュリティ対応や不具合対応などの管理を効率化することが目的です。
これにより、一部のソフトウェアでは既存環境(CentOS7.9)で導入されていたバージョンより古いバージョンが使用されているものがあります。
もし、特定のソフトウェアにおいて、既存環境と同等、もしくはそれより新しいバージョンが必要なソフトウェアがありましたら、理工学ITCまでご連絡ください。
既存環境(CentOS7.9)と新環境(RockyLinux8)のソフトウェアバージョンの比較表は次のページを参照してください。
一部のソフトウェアの廃止
廃止ソフトウェア一覧
- 古い日本語入力環境の廃止(kterm, kinput2, Canna)
- mew の廃止
- Acrobat Reader の廃止
- mlterm の廃止
- Bazzar の廃止
- ns-2 の廃止
- REDUCE の廃止
- fslの廃止
- WindowMaker の廃止
古い日本語入力環境の廃止(kterm, kinput2, Canna)
次の日本語入力環境に関するソフトウェアを廃止します。
- kterm
- kinput2
- Canna
これらのソフトウェアは20年前の実装そのままであり、かつて理工学ITCのLinux環境で 採用していた日本語文字コード(EUC)の互換性維持のため残していたものです。
理工学ITC提供のLinux環境では、2012年度以降はUTF-8が標準環境となっており、 既に役目を終えたものとなります。
mew の廃止
Emacs 上で動作するメールソフトウェアである mew を廃止します。
義塾の標準メールシステムである「慶應義塾メールシステム(慶應メール)」では、Gmailが採用されています。
Gmailの仕様変更により、OAuthに対応していないメールソフトウェアでは、慶應メールの送受信ができなっております。
mewの導入に必要だった次のソフトウェアも廃止しています。
- Hyper Estraier
- im
- QDBM
当該ソフトウェア「mew」ではOAuthに対応しておらず、既に「慶應メール」の送受信ができないためです。
代替ソフトウェアとして、各種ブラウザからのGmailへのアクセス、もしくは、Thunderbirdの利用を推奨いたします。
Acrobat Reader の廃止
PDF閲覧ソフトウェアである Acrobat Reader (acroread) を廃止します。
旧環境から維持していた Linux向けAcrobat Readerについては、既に配布元によるサポート、および、メンテナンスが終了しているためです。
代替ソフトウェアとして、「evince」、もしくは「各種ブラウザ(Firefox/Google Chrome)」
のご利用を推奨いたします。
mlterm の廃止
多言語向けターミナルソフトウェアである mlterm を廃止します。
Bazzar の廃止
分散型バージョン管理ソフトウェアの一つである Bazzar(bzr)を廃止します。
ns-2 の廃止
離散事象ネットワークシミュレータ の一つである ns-2 を廃止します。
後継の ns-3 をご利用ください。
REDUCE の廃止
汎用の計算機代数アプリケーションの一つである reduce を廃止します。
fslの廃止
脳画像データのための包括的な解析ツールライブラリ である「FSL」を廃止します。
WindowMaker の廃止
ウインドウマネージャの一つである「WindowMaker(wmaker)」を廃止します。
既知の不具合
Google Chrome 上で日本語入力できない
Google Chrome 利用時に日本語入力できない不具合があります。
本不具合は修正されました。 update 2023-02-17
Visual Studio Code 上で日本語入力できない
Visual Studio Code 利用時に日本語入力できない不具合があります。
本不具合は修正されました。 update 2023-02-17
Gnome利用時のキーボードがUS配列として認識されてしまう
[物理利用端末利用時のみ] ウインドウマネージャとしてGnomeを利用している場合、キーボードが英語配列として認識されてしまう不具合があります。
本不具合は修正されました。 update 2023-02-17
Mathematica が起動しない
Mathematica が起動しない不具合があります。
本不具合は修正されました。 update 2023-02-22
テスト用環境公開からの更新記録 update 2023-03-08
2023-03-07
テスト環境を最新の構成に更新しました。
- リモート接続用ホストのテスト環境を更新(ver1.01)しました。
ver1.01 での更新点
- ver0.91 から ver1.01 の更新点
- 次の構成、または設定を修正しました。
- 構築時の安定化に伴う修正をしました。
- システム運用の安定化に伴う修正をしました。
- 次の不具合を修正しました
- (リモート接続用ホストのみ) sshホストキーが意図しないものが使用されていた問題を修正しました。
- 次の構成、または設定を修正しました。
2023-03-02
テスト環境を最新の構成に更新しました。
- 14棟オープンスペース設置の物理利用端末のテスト環境を更新(ver0.91)しました。
- リモート接続用ホストのテスト環境を更新(ver0.91)しました。
0.91 での更新点
- ver0.90 から ver0.91 の更新点
- 次の新機能を追加しました。
- ログアウト後の自動シャットダウン機能を追加しました。
- Skywater 130nm用 LSI開発ツールを追加しました。
- 一部のソフトウェア(Firefox/Thunderbird/GoogleCHrome)の自動更新機能を追加しました。
- 次の新機能を追加しました。
2023-02-17
テスト環境を最新の構成に更新しました。
- 14棟オープンスペース設置の物理利用端末のテスト環境を更新(ver0.90)しました。
- リモート接続用ホストのテスト環境を更新(ver0.90)しました。
ver0.90での更新点
- ver0.82 から ver0.90 の更新点
- 次ののソフトウェアを更新しました。
- eclipse 2022-12(4.26.0) アップデート
- fvwm3 1.0.6a アップデート
- mit-scheme 12.1 アップデート
- ngspice 38 アップデート
- RISC-V Gnu Compiler Toolchain: Nightly Release 2023.01.04 アップデート
- Quantum ESPRESSO:7.1 アップデート
- swi-prolog: 9.0.3 アップデート
- yosys: 0.25 アップデート
- Xilinx Vivado: 2022.2 アップデート
- PythonAnaconda: 2022-10 アップデート
- LibreOffice: 7.4.5 アップデート
- yatex: 1.83 アップデート
- Mathematica: 13.2.0 アップデート
- MATLAB: R2022b update3 アップデート
- Ruby: 3.2.1 アップデート
- 次のソフトウェアを新規追加しました。
- PWgui: 7.0 インストール
- XCrySDen:1.6.2 インストール
- 次の新機能を追加しました。
- Cuda、および、Cuda Toolkit が利用できるようになりました。
- chkquota コマンドを追加しました。
- 実行ユーザのホームディレクトリのQuota利用状況を確認します。
- chwm コマンドを追加しました。
- 実行ユーザのウインドウマネージャを変更します。オプション無しで実行し、実行するたびに、FVWM -> Gnome -> FVWM -> Gnome... と切り替わります。
- 次の構成、または設定を修正しました。
- / パーティションのサイズを変更しました。
- 端末側ファイヤーウォールの設定を見直しました。同一ネットワーク間のみで 55000/tcp~55200/tcp の通信が可能になりました。
- 標準ウインドウマネージャ(FVMW)を利用した際のデスクトップの背景カラーを変更しました。2023年度環境では、StrayGray となっています。以前は Blackでした。
- Firefox/Thunderbird の組織ポリシーを追加しました。
- 次の不具合を修正しました。
- グラフィックドライバが意図しない構成となっていた問題を修正しました。
- いくつかのソフトウェアインストールに必要なパッケージを新たに追加しました。
- OS停止時に意図しないタイムアウトが発生してしまう問題を修正しました。
- GTK+ アプリ(evince, gnome-terminal, eog等)の起動に時間がかかる問題を修正しました。
- HD-Audioドライバー に関するメッセージが、利用中のコンソール画面に表示されてしまう問題を修正しました。
- Google Chrome で日本語入力できない問題を修正しました。
- Visual Studio Code で日本語入力できない問題を修正しました。
- Gnome環境使用時に設定されるキーボードレイアウトが意図しない設定になる問題を修正しました。
- 次ののソフトウェアを更新しました。
2022-12-15
テスト環境を最新の構成に更新しました
- 14棟オープンスペース設置の物理利用端末のテスト環境を更新(ver0.82)しました。
ver0.82での更新点
- ver0.80 から ver0.82 の更新点
- /work ディレクトリまわりの設定を調整、更新しました。
2022-12-14
テスト環境を最新の構成に更新しました。
- リモート接続用ホストのテスト環境(ver0.80)を用意しました。
ver0.80での更新点
- ver0.70 から ver0.80 の更新点
- 導入パッケージを最新バージョンに更新しました。
- 仮想マシン向けの設定を調整、更新しました。
- 11-11端末向けの設定を調整、更新しました。
- /work ディレクトリまわりの設定を調整、更新しました。
- ホームディレクトリを提供しているNFSサーバ名を変更しました。
- 授業向けの一部ポートの通信を許可しました。
- リモート接続用の設定を調整、更新しました。
- リモートデスクトップ接続時のデスクトップの背景カラーを変更しました。2023年度環境では、StrayGray となっています。以前は Blackでした。
- 理工学ITC環境向けの印刷設定を調整、更新しました。
- OS起動時に表示されるgrubの画面を表示しないようにしました。
- システムコアダンプの出力先を変更しました。
- 運用管理向けにいくつかの設定、構成を調整、更新しました。
- セキュリティに関する設定を調整、更新しました。
2022-11-22
14棟オープンスペースに物理利用端末のテスト環境(ver0.70)を用意しました。
最終更新日: 2023年3月14日
内容はここまでです。